「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」は、経済的自立を達成して早期リタイアを実現するライフスタイルです。近年では40代・50代だけでなく、20代や30代からFIREを目指す人も増えています。
では、実際にFIREを達成するために必要な資産額はいくらなのでしょうか?答えは「自分の生活費」によって大きく変わります。生活費が20万円で十分な人もいれば、30万〜40万円が必要な人もいます。
この記事では、生活費20万/30万/40万のケースごとに必要資産額をシミュレーションし、FIREを実現するための現実的な資産形成戦略を解説します。初心者にもわかりやすく整理していますので、自分に合ったFIREの目安を見つける参考にしてください。
FIREの基本と「4%ルール」
FIREを語る上で欠かせないのが「4%ルール」です。これは米国のトリニティ大学の研究で提唱されたもので、資産を年4%の利率で取り崩せば30年以上生活資金を維持できるという考え方です。
計算式はシンプルです。
- 必要資産額 = 年間生活費 ÷ 0.04(=年間生活費 × 25倍)
例えば、年間生活費が300万円なら「300万円 × 25 = 7,500万円」が目安になります。
もちろん、投資利回りやインフレ率によって結果は変わりますが、FIREの目安として最も広く使われています。

生活費20万円の場合の必要資産額
生活費20万円/月、つまり年間240万円で生活する場合の必要資産額を見てみましょう。
- 年間生活費:240万円
- 必要資産額:240万円 × 25 = 6,000万円
【ポイント】
- 地方移住や質素倹約スタイルを志向する人向き
- 家賃が低いエリアに住むことで生活費20万円も十分可能
- 必要資産額が6,000万円なので、FIREを現実的に目指しやすい層
生活費30万円の場合の必要資産額
生活費30万円/月、年間360万円のケースをシミュレーションします。
- 年間生活費:360万円
- 必要資産額:360万円 × 25 = 9,000万円
【ポイント】
- 都市部に住みながらも節約意識を持つ人向け
- 家族世帯や趣味・旅行にお金をかけたい人にも現実的
- 9,000万円という資産形成は長期投資+副収入がほぼ必須
生活費40万円の場合の必要資産額
生活費40万円/月、年間480万円のシナリオを考えてみます。
- 年間生活費:480万円
- 必要資産額:480万円 × 25 = 1億2,000万円
【ポイント】
- 都市部で家族4人暮らしや、趣味・教育費を重視する家庭向け
- 高額資産が必要となるため「完全リタイア型FIRE」ではなく、サイドFIRE(副業収入を組み合わせるスタイル)が現実的
- 1億円超を目指すには20代からの積立投資が鍵

FIRE達成に向けた資産形成戦略
必要資産額がわかっても、実際にどう貯めるかが重要です。
- インデックス投資を軸にする
S&P500や全世界株式インデックスファンドを長期積立。平均年利5〜7%を目指す。 - 生活費を抑える工夫
固定費削減(家賃・通信費・保険)、ふるさと納税やポイ活で節税・節約。 - 副収入を取り入れる
ブログ、YouTube、副業、配当株投資でキャッシュフローを追加。 - ドルコスト平均法で継続投資
市場の上げ下げに惑わされず毎月一定額を投資。
👉 参考:金融庁「つみたてNISAガイド」
日本版FIREの現実と工夫ポイント
アメリカの4%ルールをそのまま日本に当てはめるのは注意が必要です。
- 日本の税金・社会保険:住民税や健康保険料が引き続きかかる
- インフレリスク:物価上昇で生活費が想定以上に増える可能性あり
- 医療費リスク:高齢期にかかる医療費は想定外の支出になりがち
【工夫の例】
- サイドFIREを取り入れ、月10万程度の副収入を確保
- ポイント投資やふるさと納税を組み合わせて実質的な生活費を抑制
- 都市部→地方移住で生活費を下げる

注意点
- 4%ルールは絶対ではない:将来の利回りやインフレ次第で破綻する可能性あり
- 生活費の見積もりが甘いと失敗:実際の支出を家計簿で正確に把握すること
- リタイア後の孤独感・社会との関わり:お金だけでなく生活の質を考えることが大切
- 資産運用リスク:投資は元本割れの可能性があるため、リスク分散が必須
まとめ
FIRE達成に必要な資産額は「生活費 × 25倍」が基本の考え方です。
- 生活費20万円 → 必要資産額6,000万円
- 生活費30万円 → 必要資産額9,000万円
- 生活費40万円 → 必要資産額1億2,000万円
しかし、日本では税金・社会保険・医療費の影響が大きいため、シミュレーション通りに進まない可能性もあります。完全リタイア型のFIREが難しい場合は、サイドFIREを取り入れるのも賢い選択です。
まずは自分の「理想の生活費」を具体的に見積もり、それに必要な資産額を逆算することから始めましょう。
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